テイスト・オブ・ツクバの結果報告と日常メンテナンス、ブレーキの話。
テイスト・オブ・ツクバも終わり、関東はすっかり梅雨に入りました。
まずは簡単にテイストの結果報告です。
現地が超バタバタで、今回画像が撮れていないです。
次回、真面目にお手伝いを募集します。
当日は気温上昇で読めないセッティングの中、転倒やトラブル続出で波乱のJAMメンバーでしたが、2名入賞しましたので発表します。
2名ともクラス初入賞です。
・モンスターEVOクラス
5位入賞 ♯86 坂口選手 XJR1300
・F-ゼロクラス
3位入賞 ♯51 松浦(光)選手 XJR1200
JAM♯24 XJR1300Cはマイナートラブル?でリタイヤとなり、悔しい結果となりました。
この時期は雨でバイクに乗れない時期なので、メンテナンスや車検の車両が続々と入庫してきます。
キャブのXJR1300にインジェクションのXJR1300。
弊社では珍しいですが、1100刀も入庫しています。
このXJR1300は実は珍しい、NJ-3なんですね。
シングルショックになっているのが特徴です。
こちらのインジェクションのXJR1300は以前にRAPIDBIKE‐EVOを装着しましたが、今回さらなるパワーアップ施工で入庫しました。
インジェクションのXJR1300もキャブ同様に、かなり面白いレベルまで演出できます。
こちらは弊社で新車で購入いただいた2009年式のGSX-R750の車検整備、これまた希少車です。
外見はフルノーマル車両ですが、実はMW-Rフィルターを装着し、RAPIDBIKE-EVOでセッティングも行い、全く別物のGSX-R750になっています。
良い機会なのでGSX1100S刀で軽く車検時の整備の内容を紹介しゆきます。
画像にはありませんが、2年に一回のイベントですから、フォークO/H、タペット調整、ステムベアリング交換なども同時に行っています。
手始めにキャブです。
3Dフィルターを外した下はご覧の通り。
オーバーホール決定です。
キャブは意外と重たいので、純正のエアクリーナーBOXを装着しない場合、キャブの真上にフレームが通っていれば、タイラップ等で軽く釣ります。
これだけで、インシュレーターへの負担も減り、キャブも適正位置を保てます。
オイルクーラーのフィッティングパーツのアルマイト褪せが激しいので、ホースを再製作します。
おまけに前に装着されていたホースはフィッティングがクランクケースに干渉して削れていたり、ホースが長過ぎたりと散々な有様でもあったので見栄え良く。
オイルクーラーに限らず、ブレーキホースなどアルミフィッティングのものはアルマイトが褪せた時点で交換です。
点火コイルおよびプラグコード、キャップの交換です。
以前は海外物のコイルが装着されていましたが、何年いや何十年使用されているか不明なものなので、全て交換します。
コイルはけっこう消耗品で、数万キロも使用したものと、新品交換したもの、パワーチェックでグラフに明らかにでるほど変化します。
以前にゼファー1100でテストした際に、コイルのみ換装前と換装後で、5馬力の差が出た事があります。
今回はコンパクトで使い勝手の良いヤマハの純正コイル(2.2Ω)を使用します。
そして、この車両は町乗りでTSSスリッパ-クラッチ&クロスミッションを組んでいますので、焼け過ぎていないか念のためにチェックを行います。
サーキット走行会も年に数回、参加されていますが、クラッチ廻りは特に異常も無く綺麗な状態でした。
一点、あまりよろしくない箇所が見つかったので、交換します。
マスターシリンダーは当然、キャリパーのピストン径との組み合わせとなります。
この車両はブレンボの2POTが装着されていますが、メッシュホースで組む場合、ベストなマスターは1/2インチになります。
純正のゴムホースであれば14㎜マスターでも良いですが、上記の組み合わせだと利きが悪くなります。
同じ形状で1/2インチのマスターに換装し、リアブレーキディスクも全く効かなくて有名な海外製のモノから、サンスターのプレミアムタイプに換装します。
この組み合わせであれば、小さなブレンボ2POTキャリパーでも、リアブレーキで止まれるレベルになります。
ディスクローター新品交換なので、パッドも勿論新品交換、HELのシンタードメタルパッドです。
フロントマスターでも良く見る例なのですが・・・
いわゆるヤマハの純正MOSキャリパーですが、これに合わせるマスターは何㎜でしょう?
よく一般的なラジアル19㎜が装着されているのを見かけますが、タッチや効き方、非常に危険です。
径が全くあっていません。
純正は横置きの14㎜マスターですが、こちらも純正ゴムホース前提で、メッシュに変えると非常にタッチがシビアになるので、マスター交換が必要になります。
MOSキャリパーにはラジアル16㎜くらいが標準です。
硬いタッチもしくはゴムホースと組み合わせるのであればラジアル17㎜。
若干柔らかい感じのコントロール重視であれば、メッシュホース組み込みならラジアル15㎜でも町乗りは十分です。
リアでよくある例は、ゼファー1100でブレンボ2POT。
実はゼファー1100純正リアマスターがゴムホース使用前提で5/8インチが装着されているので、ブレンボ2POTに換装すると全く効かなくなり超危険です。
こちらも同形状で1/2インチマスターが存在するので、換装するとリアの効き具合は普通になります。
また、マスターの19×18と19×20の違い・・・をよく聞かれますので簡単に説明すると。
19はマスター径19㎜。
18とか20は支点の距離の違い、テコの原理のようなものです。
一般的に、同じマスター径だと、18は握るほど効くコントロール重視、20は初期入力でブレーキが効く支点になります。
ただ、一概には言えなく、使用するキャリパー(ピストン径)やパッドの特性、ライダーの握力や車体の重量など、色んな要素が関わってくるので、最終的には支点距離は乗る人の好みになります。
XJR1300を例にクラッチ側で説明すると、19×20は指2本で握るとクラッチが切れ、18は指4本でグリップにレバーが付くまで握らないと切れなかったりします。
ただ、20は半クラ状態が少ないONかOFFしかない状態で、18は半クラ範囲が多いので非常にクラッチコントロールがし易くなります。
皆さん、マスターの径や支点距離を一度確認してみては如何でしょうか?
各種セッティング・整備・サービス店舗 JAM co.,ltd. (ジャム) 作業依頼等 お問合せメール : info@jam-japan.com 店舗営業時間 AM10:30 - 18:00 定休日 火・水曜日、イベント・レース日等
20/12/25
20/08/10
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テイスト・オブ・ツクバも終わり、関東はすっかり梅雨に入りました。
まずは簡単にテイストの結果報告です。
現地が超バタバタで、今回画像が撮れていないです。
次回、真面目にお手伝いを募集します。
当日は気温上昇で読めないセッティングの中、転倒やトラブル続出で波乱のJAMメンバーでしたが、2名入賞しましたので発表します。
2名ともクラス初入賞です。
・モンスターEVOクラス
5位入賞 ♯86 坂口選手 XJR1300
・F-ゼロクラス
3位入賞 ♯51 松浦(光)選手 XJR1200
JAM♯24 XJR1300Cはマイナートラブル?でリタイヤとなり、悔しい結果となりました。
この時期は雨でバイクに乗れない時期なので、メンテナンスや車検の車両が続々と入庫してきます。
キャブのXJR1300にインジェクションのXJR1300。
弊社では珍しいですが、1100刀も入庫しています。
このXJR1300は実は珍しい、NJ-3なんですね。
シングルショックになっているのが特徴です。
こちらのインジェクションのXJR1300は以前にRAPIDBIKE‐EVOを装着しましたが、今回さらなるパワーアップ施工で入庫しました。
インジェクションのXJR1300もキャブ同様に、かなり面白いレベルまで演出できます。
こちらは弊社で新車で購入いただいた2009年式のGSX-R750の車検整備、これまた希少車です。
外見はフルノーマル車両ですが、実はMW-Rフィルターを装着し、RAPIDBIKE-EVOでセッティングも行い、全く別物のGSX-R750になっています。
良い機会なのでGSX1100S刀で軽く車検時の整備の内容を紹介しゆきます。
画像にはありませんが、2年に一回のイベントですから、フォークO/H、タペット調整、ステムベアリング交換なども同時に行っています。
手始めにキャブです。
3Dフィルターを外した下はご覧の通り。
オーバーホール決定です。
キャブは意外と重たいので、純正のエアクリーナーBOXを装着しない場合、キャブの真上にフレームが通っていれば、タイラップ等で軽く釣ります。
これだけで、インシュレーターへの負担も減り、キャブも適正位置を保てます。
オイルクーラーのフィッティングパーツのアルマイト褪せが激しいので、ホースを再製作します。
おまけに前に装着されていたホースはフィッティングがクランクケースに干渉して削れていたり、ホースが長過ぎたりと散々な有様でもあったので見栄え良く。
オイルクーラーに限らず、ブレーキホースなどアルミフィッティングのものはアルマイトが褪せた時点で交換です。
点火コイルおよびプラグコード、キャップの交換です。
以前は海外物のコイルが装着されていましたが、何年いや何十年使用されているか不明なものなので、全て交換します。
コイルはけっこう消耗品で、数万キロも使用したものと、新品交換したもの、パワーチェックでグラフに明らかにでるほど変化します。
以前にゼファー1100でテストした際に、コイルのみ換装前と換装後で、5馬力の差が出た事があります。
今回はコンパクトで使い勝手の良いヤマハの純正コイル(2.2Ω)を使用します。
そして、この車両は町乗りでTSSスリッパ-クラッチ&クロスミッションを組んでいますので、焼け過ぎていないか念のためにチェックを行います。
サーキット走行会も年に数回、参加されていますが、クラッチ廻りは特に異常も無く綺麗な状態でした。
一点、あまりよろしくない箇所が見つかったので、交換します。
マスターシリンダーは当然、キャリパーのピストン径との組み合わせとなります。
この車両はブレンボの2POTが装着されていますが、メッシュホースで組む場合、ベストなマスターは1/2インチになります。
純正のゴムホースであれば14㎜マスターでも良いですが、上記の組み合わせだと利きが悪くなります。
同じ形状で1/2インチのマスターに換装し、リアブレーキディスクも全く効かなくて有名な海外製のモノから、サンスターのプレミアムタイプに換装します。
この組み合わせであれば、小さなブレンボ2POTキャリパーでも、リアブレーキで止まれるレベルになります。
ディスクローター新品交換なので、パッドも勿論新品交換、HELのシンタードメタルパッドです。
フロントマスターでも良く見る例なのですが・・・
いわゆるヤマハの純正MOSキャリパーですが、これに合わせるマスターは何㎜でしょう?
よく一般的なラジアル19㎜が装着されているのを見かけますが、タッチや効き方、非常に危険です。
径が全くあっていません。
純正は横置きの14㎜マスターですが、こちらも純正ゴムホース前提で、メッシュに変えると非常にタッチがシビアになるので、マスター交換が必要になります。
MOSキャリパーにはラジアル16㎜くらいが標準です。
硬いタッチもしくはゴムホースと組み合わせるのであればラジアル17㎜。
若干柔らかい感じのコントロール重視であれば、メッシュホース組み込みならラジアル15㎜でも町乗りは十分です。
リアでよくある例は、ゼファー1100でブレンボ2POT。
実はゼファー1100純正リアマスターがゴムホース使用前提で5/8インチが装着されているので、ブレンボ2POTに換装すると全く効かなくなり超危険です。
こちらも同形状で1/2インチマスターが存在するので、換装するとリアの効き具合は普通になります。
また、マスターの19×18と19×20の違い・・・をよく聞かれますので簡単に説明すると。
19はマスター径19㎜。
18とか20は支点の距離の違い、テコの原理のようなものです。
一般的に、同じマスター径だと、18は握るほど効くコントロール重視、20は初期入力でブレーキが効く支点になります。
ただ、一概には言えなく、使用するキャリパー(ピストン径)やパッドの特性、ライダーの握力や車体の重量など、色んな要素が関わってくるので、最終的には支点距離は乗る人の好みになります。
XJR1300を例にクラッチ側で説明すると、19×20は指2本で握るとクラッチが切れ、18は指4本でグリップにレバーが付くまで握らないと切れなかったりします。
ただ、20は半クラ状態が少ないONかOFFしかない状態で、18は半クラ範囲が多いので非常にクラッチコントロールがし易くなります。
皆さん、マスターの径や支点距離を一度確認してみては如何でしょうか?
各種セッティング・整備・サービス店舗
JAM co.,ltd. (ジャム)
作業依頼等 お問合せメール : info@jam-japan.com
店舗営業時間 AM10:30 - 18:00
定休日 火・水曜日、イベント・レース日等